まもりねこ。




下級から上級まで なんでも揃う
 調合ミスは 成功のもと 諦めないで
    ―魔法薬 材料店―


 早足で歩いたのですぐに着いた。


 市場といってもテントではなく、ここのお店は灰色のレンガの建物で入り口が少し分かりづらい構造になっている。

 中に入ると、なんとも言えない空気が漂い、独特なにおいがネムの鼻を刺激する。

 ここは何度来ても好きになれない。

 お店も、においも、そして……店主も。


 ここの店主はどうも子供が嫌いらしい。


 ネムやその他の子供に対して凄く愛想が悪く、目も見ずに接客するのだから。


「ちゃっちゃと買ってお婆ちゃん達のところに戻ろう」


 ネムは早口でそう呟き、必要最低限の物だけ購入して店を後にした。


「エレン殿なら、右の方向にいるはずだ」

「さんきゅ!」