「魔法は使えないが別の手段でこちらに来て、世界を我が物にしようとする。それに必要な物が合わさった時人間は強大な力を得る。そうなったら世界中の民が集結しても勝てるかどうか……」
それを聞いたネムは、見ていた羽ペンを落としそうになってしまった。
「それって……あたし達の世界で、人間を手助けするものが現れるって事?? それに、人間の邪悪な心ってそんなに……」
「説明しようのないくらいにひどいものだ。だから、赤い光の人間は危険なのだ。赤い光は邪悪な光だからな」
ネムはなんと返事をしたらいいのか分からないまま、やっと羽ペンを買った。
羽の部分は淡い湖の色で、そこには絶えず水泡がプカプカと出てくるやつだ。
「……これ、綺麗でしょ?」
「ネムは昔から水色が好きだな。小さい頃わたしの毛の色を魔法で水色に染めたくらいだからな」
言い終わって、ディルクは はっとした。


