「小僧。何を見ている。無礼極まりない」
それに気づいたディルクがすかさず威嚇するように話しかける。
「いや、オレは……」
最後まで聞かずにディルクは話を続ける。
「ネムに変な事をしてみろ。お前に明日が来ることは無いだろう。恋などもってのほかだ。人間など下等生物が気安く魔女に恋をするな。話しかけるな」
そう言い終るとディルクはさっさとネムの元へ戻っていってしまった。
ネムはディルクを抱っこし、少しお婆ちゃんと話した後、陽汰に眼を向けた。
「あ! ヨータ!! あたし達と同じ格好だね♪」
ネムやお婆ちゃんと一緒で黒いマントに白いシャツ、黒いパンツを履いている。
そしてマントにはフードが付いていた。
「うん。怪しまれないように、ってエレンさんが作ってくださったんだ」
ディルクに睨まれたままだったが、構わず最後まで言い切った。


