まもりねこ。


「ディルク、どこか分かる?」

「たまには自分で探してみたらどうだ。魔法のおさらいだ」

「ケチんぼ!」


 少し強めに言ってみても、ディルクは何も反論せず、じっとネムの目を見つめていた。


 ネムは大きく深呼吸し、気を取り直した。

「水、陸、空、全ての精霊達よ。我、汝らに告げる。我より発せられし気を感じ、目的のものを我の元へ運びたまえ」


 その瞬間、黄色い光と共にエレンお婆ちゃんと陽汰が現れた。


「それは探す呪文ではない。それにもっと簡単な呪文があっただろう」


 呆れた顔をしてディルクが言った。


「えっ? そうなの? だって誰も教えてくれないんだもん」

「まぁまぁ。今のネムにはその方法でいいだろうよ。色々な魔法を覚えてきたら簡単な呪文の方をあたしが教えてあげるからね」


 お婆ちゃんに頭を撫でられ、照れくさそうに笑うネムを陽汰はずっと見ていた。