お婆ちゃんが立ち上がり、話し始めた。


「いいかい。陽汰とやら。さっき言ったように勝手な行動は謹んでおくれ」



「そして満月の夜が来たときに地球に帰ってもらうよ。もちろん記憶は消させてもらうからね。こっちの事を知られたまま帰すわけにはいかないのでね」


 陽汰は背筋を正し、頭を下げた。


「ありがとうございます!! それまでお世話になります!!」






「記憶、消しちゃうんだ……」


 ネムが小さく呟いたのをディルクは聞き逃さなかった。