「エレン殿。その、犬と思わしき者を見かけました」


 お婆ちゃんはおずおずと答えるディルクの頭を撫でてやり、優しく言った。


「そうかい。それでその犬はどうしたんだい?」

「はい。わたし達がエレン殿の家に向かっている途中、気配を感じて振り返ったらヤルモに丸呑みに……」


 それを聞いたお婆ちゃんは思わず声を荒げてしまった。


「なんだって!? よりによってヤルモかい!?」


 その声を聞いて、陽汰とネムが急いで部屋に入ってきた。


「おっお婆ちゃん!? 急にどうしたの!?」

「何かあったんですか??」


 陽汰を見たディルクは全身の毛を逆立て、威嚇している。


「小僧! 急に入ってくるとは失礼極まりないな」

「はいはい、ストップ! ヨータはお婆ちゃんが心配で思わず来たんだよ?」


 
 慌ててディルクを抱っこすると、いつもの気持ちいいポイントを撫で撫でしてあげた。