ゆっくりと開けたその目は、薄い茶色のような黒のような、初めて見る色をしていたのでネムはうっとりしてしまった。
「え? あれ? オレ、なんで?」
上半身だけ起こすと、人間は部屋をゆっくり見渡して、デイルク、ネム、お婆ちゃんを順番にみた。
髪の毛もまた、茶色のような黒のような色をしていて、褐色の肌をしている。
「――さて、名前となぜここにいるのか教えてもらおうかね」
最初に尋ねたのはお婆ちゃんであった。
ネムはうっとりした表情で見つめていたし、そのネムをディルクは睨みつけていたからだ。
「え? ……小池陽汰。えっと、家の近くの湖で犬を散歩してたら変な光に包まれて、まぶしくて目を瞑ったらここに……」
「青い光の者と同じ事を申しておるが……赤い光から出てきた者。真かどうか分からぬ」
ディルクは疑いの目をずっと向けたままだった。
「まぁ、いいとしましょうよ、ディルク。もし何かあった時にはツキヨミに食わせてしまおう」


