ネムは後ろを振り返り、先ほどまで戦場が繰り広げられていた場所を見つめた。 荒れた地面、焦げた草花、そして――焦げた物体。 陽汰の事を思い出し、胸がとても痛くなった。 「痛い思いさせちゃって……ごめんね?ヨータ」 鼻の奥がツンとして、涙が出そうになったが堪えた。 泣いたら陽汰に失礼だと思ったからだ。 「あの時、最後に話せてよかった。押さえ込んでいてくれてありがとう。そして――」 ……勇気を、ありがとう。 心の中でそっと呟いた。