訳が分からず、ネムはぽかんとしてしまった。


 ――ディルク?あの子は今しがた天に召されたはず。


 白い光と共に消えてしまったのだから。


「ディ、ディルクだなんて……いくら冗談でも許せないわ!!」


「この状況でそんな冗談なんて言う人はいないだろう」


 お婆ちゃんはため息交じりで答えた。


「だって! ディルクは、ディルクは……っ」


 ディルクの傷ついた体を思い出し、また涙が溢れてきた。


「ネム。人と守り猫、双方が愛を認識した時・・・守り猫は本来の姿で現れるのだ」