お婆ちゃんの家に向かう最中、ネムはドキドキしていた。
もしかしてこの人が運命の相手かもしれない、それに人間だなんて……しかもかっこいい!
そんな事を考えているうちにお婆ちゃんの家に着くと、部屋の電気がついていた。
「お婆ちゃん。おきてる? あの……」
言い終わらないうちに、お婆ちゃんはネムが入ってきたドアを閉め、カーテンもすべて閉めた。
「ディルク、お前は守り猫ではなかったのかい?」
「申し訳ありません、エレン殿。返す言葉もございません」
自分ではなくディルクが叱られていたため、ネムはとっさにディルクの前にでた。
「お婆ちゃんごめんなさい! あたしが悪いの! だからディルクを叱らないで……」
「ネム、大体のことは察している。悪いんだけど、あたしには何も出来そうにない」
想像していた言葉とまったく違ったためネムはガッカリした。
「この子、人間の国に帰してあげたいのよ。方法、なんでもいいからわからない??」
まっすぐで真剣な瞳を見て、お婆ちゃんは話し出した。


