お婆ちゃんはまだ完全に回復していなかったが、さっきよりは十分呼吸が整っていた。 「大丈夫さ、ネム。気持ちを落ち着けて、真実をこの手に掴んでごらん」 ――意味が分からなかった。 「よ、陽汰って事?陽汰は本当はどっかの魔法使いだった……?」 男はネムとお婆ちゃんの前で立ち止まり、お婆ちゃんに深々と頭を下げた。 「さあ、お前の名前をこの子に教えておやり」 「はい」 そしてネムの方を向いた。 「クラウディオだ」