「たまには後ろを見ることも必要だが……」 ネムはビックリして後ろを振り返った! だが、期待したもののそこに居たのはディルクではなかった。 ほんの少し色の黒い肌。 白に近い灰色をした少し長めの髪。 そして薄い緑色の瞳。 その‘男’はゆっくりこちらに近付いてくる。 「ち、近寄らないで!! 聖獣を呼ぶわよ!!!!」 ――彼は少し悲しい顔をしたが、足を止めることなく歩いてくる。 ネムは怖くなってお婆ちゃんの所へ走っていった。