すると――
ディルクの体から大小様々な水泡のような白い玉が溢れ出してきた。
シャボン玉のように割れそうな玉をじっと眺め、呟いた。
「とうとう……お迎えが来ちゃったのね」
ネムは守り猫の死後を見た事が無かったので少しドキドキしていた。
――わくわくとはまた違う、緊張の様な感情だ。
ディルクの体がネムの膝から離れ、宙に浮いた。
少し怖くなり、後ずさりしてしまった。
昔おばあちゃんから「あたしの守り猫は光の中に消えていったのさ」と聞いた事があったので、心の準備は出来ていたのだが実際に体験するとなると話は別だ。


