――ネムは空を見上げた。
どうして神様は意地悪なのだろう?
そもそも、神なんていないのかもしれない。
陽汰が消え、そして……大事な人も召されようとしている。
――いつも一緒に居た。
ネムが悪い事をした時、代わりにディルクが怒られる事もあった。
もちろん、一緒に怒られたりもした。
居て当たり前の人がもうすぐ居なくなってしまう。
家族のようで家族ではない不思議な存在。
ネムはディルクとのこれまでを思い出していた。
そして、黒く焦げてしまったディルクの体を優しく撫でてあげた。
――もう息はしていなかった。


