「なんでそんな大事なこと教えてくれなかったのよ! ばか!」
いきなり怒鳴られてびっくりしたディルクは言い返せなかった。
「要はあれでしょ、この人間は青い光からきましたって言えばいいんでしょ! さ、お婆ちゃんちに運ぼう!」
「我らが王を出し抜けると思っているのか……?」
「とにかくこの人間が何を考えているか分からないし、お婆ちゃんに相談しよう! ゴブリンに食べられちゃうなんて可哀想すぎるよ」
ディルクは納得できなかったが、お婆ちゃんに相談するのはいい案だと思い、手伝うことにした。
――とは言っても、人間をおんぶしているネムの横にぴったり寄り添いながら歩いているだけだが。


