ネムは一か八かでサラマンダーに命令をした。
「サラマンダー!! 善なる火を燃え上がらせ、悪なる火を消し去る力を持つ貴方なら陽汰の体を傷付けることなく中にいるイフリートを消すことが出来るでしょう!?」
だが――サラマンダーは首を振っている。
「もう遅かったようだ。あやつの精神や成分が既に人間の細胞に染み込んでしまっておるがゆえ、人間共々……」
気を遣ってくれたのか、サラマンダーはそこで止めた。
――またネムは悩んでしまった。
しかしその間に、いくら最上級の幻獣……いや、精霊のサラマンダーでも最強の力を手にいれたイフリートにおされてきている。
このままではディルクの二の舞になりかねない。
「さあ! そなたが決断せぬと我は何も出来ぬ!!」


