イフリートは炎が誰にも当たらない事にとても苛立っているように見えた。
そして、苛立っているせいでどんどん魔力が上がっていった。
――なぜならまた体が輝きだしたからである。
その間にもどんどん玉を打ち込んでくる。
「……そなた、何をしておる?」
ネムはまた面食らってしまった。
「我に命令せぬか。いつまでもあやつの攻撃を受けているわけではあるまい? それとも……あの人間の事か?」
――図星だった。
もし、もし陽汰が生きていて、そして生きていなくても精神が残っていたとしたら……
それにもし何も残っていなくても体は陽汰のままだ。


