しかしサラマンダーがすうっと息を吸い込むと、玉は全て消えてしまった!
「な、なんだあ!?」
これにはネムだけでなく、イフリートも驚いていた。
「ふ……なんとも粗末な味よ。己の心が悪意に満ちておるがゆえの味なのだな」
サラマンダーはわざとらしく咳き込んだ後に言った。
「食っちまったのかよ!? ……チッ。やりづらい相手を出してくれたなぁ?」
ネムはもしかしたら勝てるかもしれないという希望のお蔭で、少し元気が湧いてきた。
――相変わらずディルクの事が気がかりでどうしようもなかったが。
するとサラマンダーが突然ネムの方を向いた!
「さて、そなたに頼みがあるのだが」


