――ふいに、ディルクが口を開いた。


 何か話しているようだったが聞こえないのでネムは耳を口元に近づけた。


「まも、り……ねこは……」


 そこで一旦切ると、苦しそうにまばたきをした。


「お前を護るため……に、いる、の、だ」


「いいからっ! もう、もう、喋らないで!!」


 ネムは怒りでどうにかなってしまいそうだった。

 立ち上がり、イフリートの姿を探したがどこにもいない。



 死んだ?



 ――いや、まだ気配が残ってる。


「悪魔!! 出てきなさい!! 今度はあたしが相手をしてあげるわ!!」