「別れの挨拶は済んだか? なんか可哀想だからここに居るお前ら全員仲良く逝かせてやるよ」
イフリートは右の手の平をネム達に向けた。
そして右手の甲に左の手のひらを合わせた。
ディルクは口の前に冷気を集め、イフリートがレーザーを放つと同時にこちらもレーザーを放った!!
炎と氷――
異なる性質の魔法がぶつかり合う。
相殺せずに、炎が氷を押したり、逆に氷が炎を押したりしている。
「ぐっ……」
ディルクはネムと初めて出会ったときの事を思い出していた。
赤ん坊の頃なので覚えてないに等しいのに……
今、目の前でその光景を見てるように鮮明に思い出が頭に浮かんでくる。


