イフリートがにやりと笑った。
そして右手を素早くネムの方へ向け、思い切り力を込めて、もはや塊と呼べるほどの炎を放出した。
「しまっ――ネム!!」
ネムが気付いて振り向いたときにはもう炎の塊が目の前まで来ていた!
ディルクが何か叫びながら全速力でこっちへ向かってきたのが横目に映った。
一瞬、時が止まったかのように感じた……
――が、次の瞬間耳をつんざく程の爆発が起こり、突風が吹き荒れた!!
お婆ちゃんはユニコーンに守られ、なんとか持ちこたえていたが次の攻撃に耐えるほどの魔力がもう無い事を痛感していた。


