急にイフリートの目の前の地面から茶色い煙がもくもくと出てきて、その煙がとぐろを巻き始めた。
一本、また一本、そして全部で9本のとぐろになったその時― 煙が‘形’になった。
一本一本が蛇の首になっている。
それも3メートルはあろう大きさだ。
そして口からは絶えず毒の息が出ている。
ネムは魔法でディルクやお婆ちゃんの呼吸器官を保護してあげた。
――ユニコーンに毒は効かないので気にかける必要はなかったが。
「ヒュドラーかよ! まったくめんどくさい奴を召喚してくれたもんだな!!」
ネムの返事を待たずに、ヒュドラーの首の一つがイフリートに襲い掛かった!


