お婆ちゃんはネムのそばに行き、頭を撫でてやった。
「いいや。守り猫をつれていないだけだ。いいかい、知らないのはお前だけではない。お前と同世代の子らも知らない」
ネムはゆっくりうなずいた。
お婆ちゃんが頭を撫でてくれるとすぐに眠くなってしまう。
「さぁ、もうベッドにおいき。あたしも今日は疲れてるから早めに寝るよ」
「危ないから外に出てはいけないよ。エルフが隠れている間はね。おやすみ、かわいいネム」
そう言うとお婆ちゃんは客用の部屋にネムを案内し、ランプに火を灯してあげた。
そしてもう一度ネムの頭を撫でると、部屋から出て行った。
「ディルク……ずっと一緒に居てね」
「当たり前だ。そのために産まれてきたのだから」
「ふふっ、ちっちゃいナイトさん」


