「ネム、気をつけるのだ。小僧の気配はもはや小僧ではない」
ディルクの言ってる意味が分からなかった。
いや、本当は分かっているのに分かりたくなかったのかもしれない。
三人が見つめているなか、ゆっくりと、しかし足元がおぼつかない様子の陽汰が立ち上がった。
――そして一言、発した。
「時期が来たのさ」
「ヨータ? 一体どういう事なの?」
陽汰はぽかんとしている。
「……ああ、俺か。こいつはもういねえよ。正確には‘今はいない’」
「どういう事なのか説明してもらおうかね。さもなければあたしの幻獣達を全て呼び寄せてもいいんだよ」
「おいおい婆さん。実力行使って事かよ! 笑わせるねえ!!」
陽汰――いや、陽汰の姿と声をした‘それ’は腹を抱えて笑っている。
しばらく笑った後、傍にあったキノコイスに腰をかけた。


