「とにかく陽汰から目を離さないように。いつ襲われるか分かったもんじゃない。それとネム。それを片時も離すんじゃないよ」
お婆ちゃんはネムのブレスレットを指差した。
――そこでネムは昨日聞いた真実について謝ろうとしたが、お婆ちゃんはそれを察したのか制止した。
そして、怒られるのではと怯えていたディルクの目を見て微笑んでこう言った。
「時期が来たのかもしれないね」
「……そうさ。時期が来たのさ」
皆が一斉に声のする方を見た。
――が、そこには陽汰が居て、自分じゃないとばかりに首を振っている。
「ははははっ!! ここだ!」
やはり声は陽汰の居る方から聞こえる。
だがよく見てみると、陽汰の後ろの壁に一匹のサソリがいつの間にか居た。
「サ、サソリ?」
ネムは露骨に嫌な顔をして見せた。
「ふん!!」
サソリはネムを小馬鹿にしたように鼻で笑うと、あっという間に姿を消してしまった。


