母親が準備をするのを横目で見ながら朝ごはんを全てたいらげ、魔法で片付けた。
そしてきちんと歯磨きをし、お気に入りの水色のフェイスソープで洗顔をし、化粧をしている母親の後姿に声を掛けた。
「ママ。あたし達先に行くね!」
返事を聞かずにネムは外に飛び出した。
そしていつもの場所に置いてあるホウキにまたぎ、今日はいつもより強めに地面を蹴った。
「上へ参りま~っす!」
強く蹴ったせいで、空へ急上昇していった。
だが不快などではなく、夏の日の朝というのはとても清々しいものである。
お喋りをしながら飛んでいたのでいつの間にかお婆ちゃんの家の真上に着いていた。