ネムは納得していない様子のディルクを抱きかかえて居間に降りていった。



 居間には良い匂いが充満していて、テーブルにはネムの好物が並んでいた。

 小鹿のバジルソテーに、手作りパン、そして7種類のソーセージ。

 トマトとマッシュポテトのスープまである!


「朝からこんなに食べるの久しぶり!」


「ほら、いただきますを言ってから食べなさい。それより今日ママとパパは隣町まで行って来るから帰るのがちょっと遅くなるけれど……いい子にしててね」


 ネムは口の中に色々詰まっていたので、返事の代わりに手を挙げた。


「よろしい。ディルク、ネムの事お願いね」

「心得ています」