「お前の内に秘める魔力が爆発してしまったと考えた母上は、ブレスレットを作ることにしたのだ。手に入れるのが困難な物を使ってな。あのブレスレットが完成するのに丸一年はかかった。母上の祈りと魔法が一緒にこめられている」 「……祈り?」 「そうだ。お前の魔力が爆発しないよう最小限に抑える魔法と、この時の記憶を徐々に……そして全て忘れてしまうように、と」 ネムはそこではっとした。 だから忘れたのだ。こんなに重要で大事なことを。 二度と起こってほしくない悲惨な出来事だから……