「ある日お前はどこで聞いたか、エレン殿に‘ラミアーって綺麗なの?’と尋ねた」
「ラミアーって、あの子供の血を吸う吸血鬼の事? 上半身が裸で、すばらしい美貌に恵まれた女性なのよね? でも下半身は蛇だとか」
言いながら想像し、ネムはぶるっと身震いした。
「そうだ。エレン殿は‘話によると素敵な女性らしい’と言う事を伝えたのだ。その日の夜、夕食が済んだ後にお前は皆を庭に集めた」
ディルクの話を聞きながら、何一つ記憶に残っていないことが不思議でたまらなかった。
しかし話の続きを聞けば何か分かるだろうと思い、続きを話すよう促した。


