――そして二人は噴水へ向かって歩き出した。
向かう途中、お店に寄って食べたり休んだりした。
陽汰は見るもの食べるもの全てが初めてだったのでお店に入るだけで感動し、そして料理が運ばれてくるとその料理にも感動し……
一日でこんなに感動したのは史上初だよと笑っていた。
――市場の真ん中の噴水へ付く頃には、日が暮れ始めていた。
いくつかあるベンチのうちの一つに、ディルクが気持ちよさそうに寝そべっていた。
ネムと陽汰の気配に気が付くとサッと体制を整え、待ってましたと言わんばかりの顔をしている。
「あれ、アリーセ達はもう帰ったの?」
「夜に家族でディナーがあるそうだ。ネムによろしく、と言っていた」
「そっか~。寂しいな。また暫く会えないかもしれないし」


