店員が指を鳴らすとホットチョコレートの入ったカップが二つ現れた。
丸くて、持つところがハートの造りになっている。
カップは薄い紫色で、八分目までチョコレートが入っていた。
もう一度指を鳴らすと、片方のカップに宝石のようなキラキラした色とりどりのキャンディの欠片が入っていく。
「八十五コンズと七マルフです。……ありがとうございました~」
ネムはお釣りのない様に支払うと、ノーマルのカップを陽汰に差し出した。
「あ、ちょっと待って! お金いくらなの?」
「いいからいいから! 初めてのお祭りって事でささやかなプレゼントよ」


