ふと、あるお店が気になった。
日本であるようなお店だったのだ。
こっちの世界の言葉で書いてあるので読めなかったが、どうやら金魚すくいのようなものらしい。
縦1メートル、横5メートル、幅1メートル位の大きな水槽の中に魚が数匹泳いでいた。
――その魚をよく見ると、結構大きくて洋服を着ていた。
そして目を凝らしてまじまじとみると、その魚には足と手が生えていて、魚の顔があるべき所には人の顔があった。
それぞれ違う体の大きさ、形、洋服。
もちろん顔もそれぞれ違う。
陽汰は半漁人なんだろうなと思ったけど、資料などで見た事がある半漁人とは違うのでついつい立ち止まって魅入ってしまった。
「お兄ちゃん、やってくか?」
急に声を掛けられて、陽汰は飛び上がりそうになった。
声をする方を見ても誰もいないので空耳かと思ったが、声のした場所からオレンジ色の煙がもくもくと出てきて、目が二つ……いや、三つちょこんと現れた。
体は煙に包まれていて見えない。


