一年に一度のお祭りだけあって市場はとても賑わっていたし、あまりの人(エルフやゴブリンも含めて)の多さで眩暈がするほどだった。
空にはハトのような白い鳥が沢山飛び交っていて、今日のこの日を祝福しているようだ。
この鳥は手紙を運んだりするのに使われている鳥で、力強く羽ばたけば時速200キロは出るとされている。
雨や風、雷など悪天候にも強く、決して手紙を濡らしたりしないので皆よく利用している。
――と、陽汰は誰かの視線を感じて、右側に目をやるとそこには綺麗なドレスを着た少女が立っていた。
年齢は同い年くらいで、髪は金色で目はアイスブルーだ。
髪は胸の下くらいの長さで、つやつやしている。
ついついその瞳に吸い込まれそうになったが、ディルクが肩に乗ってきたので大丈夫だった。
……急に乗られたのでちょっとバランスを崩したが。
「小僧。ああいうのが好みか」
「いやっ、そうじゃないけど」
肩に乗られるのが慣れていないのか、未だにぐらついている。


