ネムはというと、独り言をブツブツ言いながら、鏡の前で睨めっこしている。


 どうも気に入らないのか、さっきから脱ぎ捨てては新しい服やアクセサリーを取りに行ったり、床に散らばった服を取りに行ったり、せわしなく行き来している。



「どれも一緒に見えてしまうのだが……違うのか」



 ついに口を開いたディルクだったが、ネムに思い切り睨まれたので意見を翻してしまった。


 もっとも――


 頭にシャツをかぶったままだったので睨まれたかどうかは分からないが、長年のカンというやつだろう。


 ディルクはシャツを取り払うと、座りなおした。