翌日……ネムは今までにないくらいに早起きをしていたので、家族に心配されたほどだった。


 タンスの中からは下着やら、お気に入りのパニエ、調合に失敗して少し裾が焦げてしまったスカートなどが溢れ出ていた。


 小物入れの周りには淡い水色のイルカのイヤリングや、まだ一度しか着けた事の無いネックレス(これは高いので大事にしていた)……


 昔ディルクが小さい頃じゃれて壊してしまったブレスレットなどが散乱している。



 そして床には足の踏み場など無いくらい、そして一見全く同じにしか見えない黒いコルセット、そしてリボン、白いシャツなどお決まりの洋服達で埋め尽くされていた。


 ベッドに非難していたディルクには、今脱ぎ捨てられたばかりのシャツが運悪く頭にかぶさった――