私の取り柄は手先が器用だということだけ。
後は何もない。

杏子は頭も良く勉強もスポーツもそこそこ出来る。

顔も綺麗でよくもてる。

神様って居ないのかな…

私達、あまりにも差がありすぎだと思う。

杏子の綺麗な顔を見ながら窓に映る自分を見て思わず目をそらした14歳の春。

チクリと胸が痛んだ…
(不公平だよ)

杏子が近寄る

『ねえ幸子聞いてる?』