私は静かに座り杏子を見た。

微かな寝息をたてている。

『たくさん歩いたもんね…』

そう話し掛けながら喉元にナイフをあて一気に横一文字にスッと引いた。

血が吹き出すと同時に杏子が目を開け口をパクパクさせる。

金魚みたい。

杏子は何が起きたかを知るまでに大分時間がかかった

『ゴポッ、ゴポ』

杏子、分かんないよ、何言ってんの?ああ、何故?って言ってんだ。

私は答えてあげる事にした。