街を歩くと皆が杏子に振り返る。

そして決まって私を見て笑う。

でも今日は不思議に何とも思わない。

だって今日が最後だし杏子は無惨な死体になるんだもの、ねっ!杏子。

思わず杏子に笑いかけていた

『幸子の笑顔久しぶりだ』

そう言って杏子も笑った。

バカだね、杏子。

あんたとは〃笑う〃意味が違うんだよ。

まあそんな事今はどうでもいいけどね。

私も一緒に杏子と笑ってあげたんだ。


楽しい日にしようね、杏子。