杏子が来てからも大女将と洋一さんだけは、何一つ変わらなかった。

きっと私を生き永らえさせたのは二人のおかげかもしれない。


大女将の言うように、もし…もし洋一さんと結婚出来たら…。


淡い期待で胸が熱くなる。


私は洋一さんと会う為に、着ていく服を選び久しぶりに鏡を覗いた。

大嫌いな自分の顔も今は鏡を見て笑顔を作る。

きっとみんな恋人と会う時はこんな風にときめくんだろうな…。


洋一さんと出逢えたことを感謝しなきゃ…。