『さっちゃん、今はまだ目立つけれど日がたてば分かりにくくなるから。ねっ…』

母が慌てながら言った。
私は母の手から鏡を奪うと、ゆっくり覗きこんだ。

誰?

私?

嘘…

半分閉じてしまった瞼。
大きな傷痕。

ただでさえ醜い顔なのにこれじゃ化け物!

私は鏡を壁に投げつけた。母も泣いている。
私もう生きてくのやだよ。こんな顔で生きてくのやだよ。

(コンコン)

誰かが来た。