楽しそうに鼻歌を歌いながら杏子が笑う。


(杏子がいつも明るく素直でいられるのは、きっと綺麗に生まれたから…。私もせめて杏子の半分でも可愛かったら、友達として誰からも笑われないのにね…)

悲しかった…。

この時はまだ悲しいと思えるだけですんだのに…。


どんどん歩き進む杏子に着いて来た私は同級生達の声がしないことに気がついた。