お会計を済ませたあたし達は、帰路を歩き出す。
両手に収まりきらないワンちゃんをギュッと抱きしめながら歩くあたし。
フフフ。
さっきから顔が緩みっぱなしです。
だって陽介からのプレゼント…
考えただけでニヤニヤしちゃうんだもん!
「沙月、それ貸せ。」
突然の陽介の発言にあたしも
「えーダメっ。あたしのだもん。」
そう言ってまたフカフカのワンちゃんにギュッとしがみつく。
けれど陽介は
「いいから。」
無理やり奪われたワンちゃん。
「あー!あたしのなのにー」
陽介の馬鹿!
反抗の意も込めて意味もなく陽介をぽかぽか叩いてみる。
パシッ
なぜか突然つかまれた腕。
というか繋がれた右手。
「へ?」
「…行くぞ。」
陽介の右手にはワンちゃん、左手にはあたし。
あたしの右手には陽介。
ああ…
そうか。
「陽介好き!あたしも陽介と手繋ぎたかったよ!」
「うるせ///…いいから行くぞ。」
あたしがワンちゃんを持つと両手ふさがっちゃうから…
もう~…
陽介本当に大好き!

