「ふーん?じゃあ、買ってくるから。」
そう言ってあたしの腕からワンちゃんをヒョイッと持ち上げてカウンターに並ぶ陽介。
なんとも不釣合いな光景にあたしは一瞬噴出しそうになった。
けどすぐにあることに気がつく。
そう、周りの女の子の視線。
明らかにピンク色のまなざしで陽介のこと見てるんだもん。
これにはあたしもムッとして、陽介のもとへ小走り。
あたしの!
そういう意味も込めて、陽介の腕にギュッとしがみついた。
「…どうした?」
何も知らない陽介は不思議そうにあたしを見つめる。
「んー?陽介はかっこいいなーって。」
ニコニコ顔のあたしに
「なんだそれ。」
半笑いの陽介。
これであたしも可愛かったら美男美女なんだけどな~…
とても無謀なことを考えてしまうのはしょっちゅう。
たまに、本当にたまにね?
不安になったりするんだ。
何の取柄のないあたし。
どうして陽介はあたしを選んでくれたの?

