「いいから早く選べば。」
「…陽介大好き!」
そう言ってギュってしがみつけば、
「うぜー。」
って嫌な声を出す陽介。
だけどつかんだ腕を振りほどこうとはしない。
「あたし、大きなぬいぐるみがほしいの!」
夜ギュ~ってして寝るの!
っとはしゃぐと
「ガキかよ。」
飽きれたような声。
「どうせガキですよ!いーだ。」
それでも陽介よりは誕生日は早いんだから!
なんて心の中ではちょっと反抗してみたり。
けどね、自分がガキなことくらいわかってるんだ。
っていうか、陽介が大人すぎるの。
変に落ち着いてるんだもの。
ま、そこがかっこいいんだけどね?
「おい、にやけてないで早く選べっつーの。」
くいっとおでこをつかれた。
幸せいっぱいのあたしはそんなこと気にしないで
「はーい♪」
と元気な挨拶をしながら店内を見渡す。
「あ、あれ!陽介あれがいい!」
あたしが指差した先には大きなワンちゃんのぬいぐるみ。
手にとってみればすごくふわふわで絶対一緒に寝るならこれがいい!
「こんなんでいいのかよ。まだ他にも…」
「ううん、この子!絶対この子がいい!」
なんていうか一目ぼれ?
他のぬいぐるみなんて目に入らないくらいこの子に惹かれたの。

