が、しかし!
あたしが甘かった。
30分たった今、陽介は起きない。
いや、起きるわけがないんだ。
だって陽介だから。
「もう~起きてよー…」
陽介のベッドにひじをつき、寝息をたててスヤスヤ眠る陽介をジッと見る。
この寝顔見ると、起こすのも少しだけタメらっちゃうんだよねー…
「あーあ、せっかく誕生日だからいつもより早く来たのにな。」
陽介と過ごす時間をすこしでも多く、そう思ったのに…
「ていうか、そう思ってんのもあたしだけなのかな。」
そう思うとなんだか悲しくて悔しくて、あたしは陽介の髪をくしゃっと撫でた。
いいもん、あたしも寝てやる。
そう思って無理やり陽介が寝ているシングルベッドにあたしも潜り込む。
当たり前だけど、とても狭い。
狭いせいで何もしなくても触れてしまう洋介の肌。
「…///」
起きない陽介が悪いんだから!
そう思ってあたしはギュッと陽介にしがみついた。
「あたしばっかり…好きなのかな。」
付き合う前も付き合ってからも、どう考えたってあたしの好きのほうが大きいよ。
「陽介…あたし、もっと…」
陽介の心地良い体温で眠くなったあたしもいつの間にか夢の中だった。

