「あのね、今インターホン鳴らしたんだけど…。」
『あー…誰もいねーよ。勝手に上がれば？』
って。
も～…
そういうのは先に言っておいてよ～…
そう思いながら、ドアに手をかけお邪魔することにした。
誰もいないとわかっていながら
「こんにちはー、お邪魔します…」
って少し小声で言ってしまう。
陽介の部屋は２階の一番奥。
今日は起きててって言ったのに…
「陽介…起きた？」
そう言いながらドアからひょこっと顔を覗かせてみるけど
「スー…。」
規則正しい寝息が聞こえる。
やっぱりね…
少しあきれながら部屋に足を踏み入れれば、昨日遅くまでやったであろう、テレビゲームが無造作に放り投げられていた。
「…寝坊の原因はこれね。」
ふう…
軽く部屋を片付けながらあたしは陽介が起きるのを待つことにした。
