歩くこと10分。
陽介の家に着いたあたし。
インターホンを鳴らせばいつもの陽介のお母さんの声。
のはずが、
「………。」
え?
誰の声もしない。
あれ…?
おかしいな。
そう思ってあたしはもう一度インターホンに手をかけた。
「………。」
効果音でいう
シーーン
まさにこれ。
えー…どうしよう。
ていうか陽介はいないの?
若干焦りながらあたしは陽介に電話をしてみることにした。
5回ほど続いたコールが途切れ、変わりに
『…はい。』
陽介の声だ!
「陽介!」
『あー…?』
明らかに今起きましたっていう寝起きの声にあたしもがっくり。
一言文句も言いたいところだけど、それは直接にしよう。

