「先輩、お昼は食べないんですか?」

「もう食べたよ。」


……会話が止まってしまった。

ダメだ、何かほかにネタはないかな?


「先輩、何見てるんですか?」

「空。」


いやー!また、ストップ。

ダメ、ダメ。ダメだってば!


「先輩……。」

「ん?」

「……何でもないです。」


でも、何を話せばいい?


「クククッ……。」


押し殺したような笑い声が聞こえ、カワサキの背中が小刻みに揺れる。


「あのさぁ、そんなに緊張しなくていいから。」

「……えっ?」


カワサキが振り返り、私を見上げる。

そんな風に見つめられたら……どうしていいかわからない。


「そんなキャラじゃないだろ?実験のときはもっと無遠慮だった。」

「無遠慮って……。そんなぁ。」


困惑する私を見て、カワサキはクスクス笑った。