お昼を食べてる間も、浩実とダイキくんは言い合っていた。


「私と若菜の絆はねぇ、あんたになんか邪魔できないんだから!」

「そんなこと言ったって、俺と若菜ちゃんはこれから1日中一緒なんだからな!」

「だから何よっ!心と時間は比例しないもん!」


だんだん、言っている意味がわからなくなってきた。

って言うか、この人たち、何をこんなに争ってるのか……?


「ねぇねぇ、もういいから。」

「若菜はちょっと黙ってて!」


2人は止めに入った私をキッと睨みつけると、また口喧嘩を再開した。

他の学生たちが好奇の目で私たちを見ているのがわかる。


「もう、やめようよ。恥ずかしい。」


今度の言葉は、2人の会話を止めることさえできなかった。

私はいつもの半分くらいの時間で、さっさと食事を済ませた。

今、この現状から抜け出すには……、逃げるしかない!


「じゃ、私。食事終わったから、帰るね。」


それだけ言ったら、猛ダッシュ!


「あっ、ちょっと!」

「若菜ちゃーん!」


何か聞こえた気がしたけど……知らないっ!