講義も終わり、私と浩実は食堂へ向かう。

ぴったり合った私と浩実の足音と、少し後ろからもう1つ。


「ねぇ、アンタ、どこまでついてくんのよっ?」


突然振り返った浩実がダイキくんを睨みつける。


「俺は若菜ちゃんに用があるんだよ。」

「用って何?」


私は立ち止り、振り返る。

止まり損ねたダイキくんの胸に危うく飛び込みそうになった。

思ったよりも背が高い。


「若菜ちゃん、そんなに俺のことが……。」

「あのねぇ、用があるんでしょ?」


ホントに、何なんだ。


「今から、私と若菜はランチなの!邪魔しないで。」

「はぁ?別に邪魔してないだろ?」

「でさぁ、用って何よ?」


この2人と一緒だと、話が全く先に進まない。


「若菜ちゃん、一緒にご飯食べようよ。」

「だから、私と2人で食べるって言ってるでしょ!」

「うるせぇ、お前は黙ってろ!」

「まぁまぁ。いいじゃん、3人で食べれば。」


私が2人の間に割って入ると、2人は口をそろえて言った。


「絶対、嫌だ!」


さっきから思ってたけど、やっぱりこの2人。


「似てるね、浩実とダイキくん。」

「全然、似てない!」


また、声がそろったので、私は1人で笑い続けた。